5月13日、山本一太群馬県知事は定例記者会見を行いました。
20210513山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTube
その中から、新型コロナウイルス関連の内容をまとめました。
※記事内画像はモニター資料からの引用です。
【変異株の猛威】県内の感染状況
感染状況は従来種から変異株への移り変わりにより様変わりしています。
新規感染者数の推移
直近1週間の新規感染者数は、先週からさらに増えて630人に。第3波の最大値である460人から34%ほど上回っています。すなわち過去最悪の状況と言っていいでしょう。
変異株(N501Y)の検出割合
変異株の検出割合が急増しています。直近3日では60%に到達しました。国立感染症研究所によれば、国内の新型コロナウイルス感染症の9割以上が変異株にとって変わられているとのことです。
変異株の特徴
変異株は従来種と比べて
感染力が最大1.75倍
重症化する可能性1.4倍
と、一言で言えば凶暴化しています。従来種では若者が重症化する例は少なかったですが、変異株では若者が重症化する事例が急増しています。
入院患者の年齢構成の推移
症状が重くなり入院する患者の世代別推移です。
重症患者で40~50歳代が占める割合が2021年1月18日の時点では全体の9%だったものが、5月11日の時点では21%まで増加しています。
中等症患者においては、同様の比較で以下の通り様変わりしています。
20~30歳代 4% ⇒ 11%
40~50歳代 12% ⇒ 29%
変異株においては、若いから感染しても平気とは言えません。
警戒度移行の判断基準:感染状況
新規感染者数はさらに増加しています。2週間前と比べて倍以上に。
警戒度引き上げや引き下げをする際の判断基準となる数値です。
新規感染者数の基準値は1日平均20人。
現在値は84.9人/日。先週の67.1人/日からさらに増加しています。
経路不明の感染者数の基準値は50%。
現在値は40.2%。基準値よりは低いですが、気が抜ける数値ではありません。
検査の陽性率の基準値は7%。
現在値は9.3%。
新規感染者の状況(年代別)
60歳代以上の世代で感染者の割合が増加しています。高齢者施設のクラスター発生には一層の注意が必要です。
30歳代以下の若い世代の割合が高い状況が続いています。
新規感染者の状況(推定感染経路別)
飲食店を含め、事業所、福祉施設など、さまざまな場所でクラスターが発生しています。
感染経路不明の割合が高い状況が続いています。
感染が疑われる行動歴
感染経路不明者の行動歴をまとめたデータです。
感染経路不明者のうち、40%は「会食や夜の街関連」、35%は「県外との往来歴」があることがわかりました。
警戒度移行の判断基準:医療提供体制
人工呼吸器使用の基準値は74台中38台。
現在値は17台。先週の8台から倍増しています。
うちECMO使用の基準値は12台中5台。
現在値は3台。先週の1台から増加。
重症患者が増加していることがはっかりわかります。また人工呼吸器の稼働には多数の医療スタッフが必要となります。なので、人工呼吸器の使用率が上がるということは医療現場への負担が跳ね上がるということでもあります。
病床の稼働率の基準値は警戒度2で15%、3で40%、4で70%。
現在値は65.3%。先週の49.5%から16ポイント近く跳ね上がりました。危機的状況まで来ています。
コロナ病床は5月末までには450床の確保を目標としています。
宿泊療養施設の稼働状況は938室250人。
10万人当たりの新規感染者数:保健所管内別
とうとう白(吾妻)がなくなりました。
館林保健所管内は2.0人/日。先週の0.8人/日から上昇しています。それでも県内では低いほうです。
5月16日から適用されるまん延防止等重点措置の対象地域10市町(前橋市・高崎市・伊勢崎市・太田市・沼田市・渋川市・藤岡市・富岡市・安中市・玉村町)とこの表を照らし合わせると、新規感染者数の多い市町が対象となっている(基準がはっきりしている)ことがわかります。
感染状況まとめ
変異株がやってきた!!
感染者急増は変異株の影響が大きい
若者の重症化リスクが高まっている
これまで大丈夫だった状況でも感染が広がっている
これまでと同じ対策では感染を防げない
特に注意が必要な行動
変異株にとって変わった現在においで、より慎重で注意深い行動が必要となります。
バーベキュー 例え、家族や親しい友人でも大人数での会食はリスクが高い。屋外でも危険。
友人とのカラオケ 密閉空間になりやすく、飛沫が多く飛ぶ。
職場でのランチ ランチはひとりで食べる。対面で座らない。会話しない。食事が済んだらすぐに席を離れる。企業はお昼休みを一斉に取るのではなく時間をずらすなど労務管理の工夫を。
体調不良で出勤 少しでも異変を感じたら、休むかテレワークへの切り替えを。
マスク無しの井戸端会議 たとえ屋外短時間であってもマスクを外さない。
飲食を伴う友人との遊興(ゴルフ、登山など) 屋外でも飲食はリスク。
屋外での飲み会 屋外でもリスク。
県営ワクチン接種センター(仮称)について
設置はさらに前倒しされ5月24日(月)オープン(国の大規模接種センター設置に合わせて)
運用開始
2021年5月24日(月)~ 試験運用から始める。
6月1日から本格稼働開始、1日あたり1,000回の接種を目指す。
場所
太田市(旧)韮川西小学校
現在のワクチン接種状況など
群馬県内の高齢者のワクチン接種状況は、5月13日の時点で、1回目の接種が完了した人は1.3%、2回めの接種が完了した人は0.1%。
センター運用により、政府が目標としている7月末までの(高齢者の)接種完了を後押しするとともに、一般接種の速度を飛躍的に向上することを目指すとしています。
現在、地方においてワクチン接種センターの設置に動いているのは、群馬県と愛知県。全国に先駆けての設置となります。
ワクチン接種センターについては以下の記事もご覧ください。
県有施設の対応
5月16日から31日の期間、県営施設の一部32施設が閉館となります。ただし、Gメッセ群馬など、すでに予約済みの場合は利用可能です。
館林市関連では館林美術館が閉館となります。
【臨時休館のお知らせ】
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当館は5/16(日)から5/31(月)まで、臨時休館いたします。
休館期間中に開催を予定していたイベントにつきましては、中止となります。
ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。— 群馬県立館林美術館 (@gunmatatebi) May 13, 2021
愛郷ぐんまプロジェクトと感染拡大の因果関係について
愛郷ぐんまプロジェクトを実施した2021年3月26日から4月28日の間に、宿泊施設で感染者が発生した事例はありません。
よって、愛郷ぐんまプロジェクトと感染拡大の因果関係なしとしています。
山本知事は、今愛郷ぐんまプロジェクトを中止するのは、変異株の拡大を抑え込む時であるからとしています。また、状況が落ち着いた際には、地域経済を立て直すために再開すること明言しました。
※因果関係については、私もそう思います。今中止するのは、従来種と変異株とではリスクが同様では無いということですね。はやく再開できる状況になることを願っています。