5月7日、山本一太群馬県知事は定例記者会見を行いました。
20210507山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTube
その中から、新型コロナウイルス関連の内容をまとめました。
※記事内画像はモニター資料からの引用です。
県営ワクチン接種センター設置に関して
群馬県では、ワクチン接種センター設置を最優先事項と位置づけ、設置への準備をしています。河野大臣によると、現時点では群馬県と愛知県でセンター設置を進めているようです。
特に医師会との連携を重視しているということで、この日の会見には須藤英仁群馬県医師会会長が同席しています。
県営ワクチン接種センター設置の目的
地域の補完
市町村が行っているワクチン接種の補完すること。
市町村によっては8月以降までかかるとしている高齢者のワクチン接種を7月末までに完了することを目標とする。
接種の加速化
変異株の広がりを考えると、一刻も早いワクチン接種がなによりものコロナ対策となる。
高齢者接種が完了した後はより積極的なセンター運用をすることで、来年2月までとしている全県民の接種完了を今年11月末までに完了することを目標とする。
円滑な接種
ワクチン接種センターで使用するワクチンはモデルナ製。
市町村が使用するワクチンはファイザー製。
このように分ける。
モデルナ製ワクチンが今月末にも承認される。現在流通しているファイザー製ワクチンと混在する状況になるが、混乱を避け、円滑な接種を行う。
市町村におけるワクチン接種体制の増強も不可欠
一方で、市町村が行っているワクチン接種体制の増強も必要。こちらも最大限必要な支援を行っていく。
ワクチン接種センターの概要
開設時期
2021年6月中から6月初旬に前倒し開設
モデルナ製ワクチンの承認後、速やかにワクチン接種ができるように早める。
設置場所
まずは、比較的医療関係者が少なく、高齢者接種に支援が必要と見込まれる東毛地域に設置する。
これによって、1つ目の目的である高齢者接種の7月までの完了を目指す。
その後、2つ目の目的である県全体のワクチン接種加速化のため、その他の地域へのワクチン接種センターの設置を検討していく。
施設の規模
1日あたり、1,000回の接種が可能な規模を目指す。
現在、7月中に高齢者のワクチン接種を完了するためには1日あたり、7,800回の接種が必要。
主に東毛地域において、1日あたり、1,000回のワクチン接種が補完できれば、1日7,800回の接種をクリアできる見込みである。
なお、高齢者接種完了後の一般接種(全県)を11月末までに完了するには、1日あたり、10,000回に増やす必要がある。そのために、速やかに接種体制の増強を図っていく。
ワクチン接種センター設置に向けた取組について
人員の確保
県立病院医療スタッフ、潜在看護師、民間人材派遣業者などの活用を検討していく。
ワクチン接種センターの設置によって、市町村のワクチン接種に悪影響を及ぼすことは避けなければならない。
この点に関して、医師会としっかり連携していく。
※人材確保がこの事業の大事なところです。(ナカヤマ)
この点について、須藤群馬県医師会長からのコメントがあります。
予約体制
市町村での接種との重複を避ける。
円滑な予約。
これらのことを達成するために、デジタル技術を活用を含めて最善の体制をつくっていく。
県庁内の体制強化
5月7日付で知事を本部長とする群馬県ワクチン接種対策本部を設置し、第1回会議を開催した。
庁内の新型コロナウイルス対策室内に新たに接種センター運営係を設置し、7名の担当職員を配置した。
県内の感染状況
群馬県内の感染状況は過去最悪
次に、群馬県内の感染状況です。
新規感染者数の推移
直近1週間の新規感染者数は、先週からさらに増えて489人に。第3波の最大値である460人を超えました。
変異株は73件。累計で175件に。
警戒度移行の判断基準:感染状況
警戒度引き上げや引き下げをする際の判断基準となる数値です。
新規感染者数の基準値は1日平均20人。
現在値は67.1人/日。先週の39.6人/日から大幅に増加しています。国の定める基準に照らし合わせればステージ4相当です。
経路不明の感染者数の基準値は50%。
現在値は35.5%。先週からやや減少しました。ただし、連休中は濃厚接触者への検査が中心だったので、この影響が大きいため、油断はできません。
検査の陽性率の基準値は7%。
現在値は19.3%。先週の7.0%から大幅に増加しています。検査の拡大が必要です。※連休中に検査数が減少していることも影響していると思われます。
新規感染者の状況(年代別)
20~30代の感染が多い状況が続いています。
新規感染者の状況(推定感染経路別)
飲食店・事業所・福祉施設・医療機関等、さまざまな場所でクラスターが発生しています。
知人友人の割合が増加していて、このうち20,30代が半数を占めています。行動歴としては友人間での会食が多く見られます。
警戒度移行の判断基準:医療提供体制
人工呼吸器使用の基準値は74台中38台。
現在値は8台。先週の2台から大幅増加しています。
うちECMO使用の基準値は12台中5台。
現在値は1台。先週の1台から変わらず。
病床の稼働率の基準値は警戒度2で15%、3で40%。
現在値は49.5%。先週の30.5%から20ポイント近く跳ね上がりました。危険な水準まで上昇しています。5月6日時点での入院患者数は209人。第3波での最高値である226人に迫る数です。
入院患者数が増えるということは、医療関係者への負担が増えるということでもあります。
コロナ病床は5月11日から10床増え、432床となる予定です。5月末までには450床の確保を目標としています。
宿泊療養施設の稼働状況は938室285人。先週の155人から倍増に近いです。
10万人当たりの新規感染者数:保健所管内別
ほぼ真っ赤。ほぼ全県で増加しています。
館林保健所管内は0.8人/日。先週の1.2人/日から減少していますが、連休中という特殊事情のため、改善していると言えるかはわかりません。安心できる状況では無いです。
GW中の人流分析
警戒度「4」引き上げ前の4月29日から5月3日のデータです。携帯電話の位置情報での分析値です。
測定場所は、JR高崎駅、草津温泉周辺、伊香保温泉周辺の3ヶ所です。
GW中ということもあり、全ヶ所で人流は増加しています。ただし、草津温泉周辺と伊香保温泉周辺では県内居住者の人流は減少していることがわかります。警戒度「4」発令前にもかかわらず、減少しているということは、県民の警戒意識が高かったと考えられます。
群馬県としては、今後も人流と感染について、分析を続けていくとしています。
感染防止対策の徹底を!
山本知事は、強い危機感を持って、これから上がってくる連休明けの感染データを注視していくとしています。さらなる感染拡大となれば、まん延防止等重点措置の要請をせざるを得ないと述べました。
感染対策は、いつもやることは同じです。それをどれだけ徹底できるかにかかっています。
リンク
記者会見の内容は、以下のリンクから閲覧できます。後日(概ね翌日17時以降)、テキストでも読めるようになります。