【コロナ】群馬県、緊急事態宣言9月30日まで延長 医療体制は堅持

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20210909山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTubeより 「宣言の延長はやむを得ない」

9月9日、山本一太群馬県知事は定例記者会見を行いました。

20210909山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTube

会見から、新型コロナウイルス関連の内容をまとめました。

※記事内画像はモニター資料からの引用です。

緊急事態宣言延長

8月20日から9月12日までの期限で発令されている緊急事態宣言が9月30日まで延長されることが決定しました。

延長期間は9月13日(月)~9月30日(木)

延長となった根拠など

警戒度以降の判断基準 客観的な数値から

山本知事は

  • 病床稼働率が高く、また重症例が減少していない。医療体制は危機的状況が続いている
  • 新規感染者数は減少傾向にあるが、いまだ連日100人前後の感染者が確認されており、国のステージⅣの基準を大きく超えている
  • 県は、当初1日100人の新規感染者が2週間続くことを最悪のシナリオとして想定(第5波で患者療養の新方針を打ち出し、想定はさらに高いラインに設けられています)したが、その最悪の事態を脱していない

こうした客観的に加えて、群馬県が緊急事態宣言期間延長を要請した主な理由として、以下の3点を挙げました。

緊急事態宣言の延長理由

1.感染を徹底的に抑え込む

  • 政府が宣言解除の基準に「医療体制重視」を追加したことに触れて、群馬県の医療体制は依然として危機的状況が続いている。
  • 感染力の強いデルタ株を考慮すると、ふたたび感染急拡大する恐れがある。
  • せっかく感染が減少傾向に入ってきたのに、これをふたたび拡大させてはならない。

2.北関東3県で一体的な対応が必要

  • 今の感染状況は北関東3県で大きな差異はない。
  • 栃木県知事、茨城県知事と電話で会談。
  • 群馬県としては、北関東3県の一体的な対応が必要だと考えている。

3.接種が進んでいない若年層の感染リスクを下げる

  • 10代の感染が増加傾向にある。
  • 新学期が始まってまだ1,2週間程度しか経っていないが、ここで緩めると10代を中心に一気に感染が広がってしまうことを危惧している。
  • 児童・生徒の健康、そして学びを守るという観点から。

山本知事からはこのような説明がありました。

延長による要請内容など

要請内容は基本的には宣言発出時と変わっていないので、詳細はそちらの記事もご覧ください。

群馬県、8月20日より緊急事態宣言発令 デルタ株封じ込みへさらに一歩踏み込む
8月17日、山本一太群馬県知事は緊急事態宣言についての臨時記者会見を行いました。 20210817山本一太群馬県知事臨時記者会...

県民への要請

外出機会を1/2以下に減らす

20時以降の外出は極力慎んで

県外との往来は行わないように

また、県外の方への要請として、「緊急事態宣言期間中は、県内への訪問をお控えいただきたい」と、これは前回の宣言時の会見でもあったことですが、県外からの群馬県への往来は控えてほしいとの言葉がありました。

事業者への要請

事業者への要請内容は変更はありません。引き続きの要請内容です。

なお、9月9日の時点で休業要請に応じていない店舗は16店。特措法に基づき、店名を公表しました。

群馬県 – 【9月9日】新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条に基づく施設の使用停止(休業)等の命令について

時短要請に係る協力金

こちらも変更ありません。

緊急事態宣言延長に伴う各対応

県立学校の対応

こちらも基本的には変更ありませんが、特別支援学校については、障害のある子どもたちの生活リズムや保護者の負担等を考慮し、通常登校を検討しているとのことです。

「ワクチン接種できない10代以下の子どもの感染リスクを下げていかなければならない」と知事からの言葉がありました。そのための措置ということです。

市町村立の学校、私立学校はそれぞれの判断になりますが、これまでの対応の継続になることが多いと思われます。正確なことは、市町村や学校からの通知を確認してください。

イベント・県有施設の取扱い

こちらも変更ありません。

緊急事態宣言延長に関する内容は以上ですが、山本知事は「ここで再び感染急拡大しては元も子もない。10月に予定している経済対策も難しくなってしまう」「今しっかり対策することで、経済活動の早期再開につながる」と述べました。

県内の感染状況

今週亡くなった方は5人。かなり若い方も亡くなられました。

新規感染者数の推移

今週の新規感染者数は654人。もっとも感染者の多かった先々週の1932人から1/3まで減少しました。ただし、第3波のピークよりまだ高いです。

警戒度移行の判断基準 感染状況

感染状況の客観的な数値です。

新規感染者数の基準値は1日平均20人。

現在値は108.0人/日。1週間前から約50%減

経路不明の感染者数の基準値は50%。

現在値は38.4%

検査の陽性率の基準値は7%。

現在値は10.3%

数値は確実に改善しています。新規感染者数は前回から半減となりましたが、いぜんとして100人を超えており、基準の20人を大きく上回っている状態です。

感覚が麻痺してはいけません。

新規感染者のワクチン接種状況

新規感染者のワクチン接種状況ごとの内訳です。

直近1週間の新規感染者756人中、

未接種 570人(75%)

1回のみ 107人(14%)

2回接種 79人(11%)

2回接種して2週間経過後に感染する「ブレイクスルー感染」は一定数発生していますが、感染の中心は未接種の方です。この傾向は変わりません。また、2回接種後に感染した方で重症化した方はいません

新規感染者の状況 年代別

60歳代以上の感染が増えています。ブレイクスルー感染が出てきていると言えます。10歳代以下の感染割合も増えています。

新規感染者の状況 推定感染経路別

感染経路不明が減少し、家庭内感染が中心となってきています。家庭内感染を防ぐのは大変難しいので、感染しないことが肝心です。また、山本知事から、ワクチン接種できない子どもを守るために、小保護者や子どもと接する機会がある方のワクチン接種を積極的に受けてほしいと改めてのお願いがありました。

警戒度移行の判断基準 医療提供体制

医療提供体制の客観的数値です。

人工呼吸器使用の基準値は74台中38台。

現在値は20台。先週は17台。

うちECMO使用の基準値は12台中5台。

現在値は4台。先週は6台。

(参考)ICU使用は、現在値は4台。先週は8台。

新規感染者数が減ったものの、人工呼吸器が必要な重症者は増えています。これも緊急事態宣言延長の大きな理由です。

人工呼吸器は医療スタッフの人的リソースがたくさん必要になります。重症者数が減らないことには医療体制の負荷が減らないということです。

中等症患者の入院状況

現在地は102人。先週は106人。

病床の稼働率の基準値は警戒度2で15%、3で40%、4で70%。

現在値は60.0%先週から若干下がりましたが、重症者が増えていることもあり、医療現場の負担は数値ほど軽減されていません。

宿泊療養施設の稼働状況は1319室中406人

宿泊療養施設は9月7日からは伊勢崎市のホテルが加わり、186室追加され、1319室体制になりました。

自宅療養者数は、今週は324人。先週は471人。

自宅療養の縮小

自宅療養者数が減っているのは良い傾向です。これがどんどん増えていくとしたら、それはよりリスクのある患者が自宅療養を強いられている可能性が高くなるということですから。群馬県では医療崩壊は起きていません。今のところは野戦病院も必要ありません。これはとても大事なことです。

宿泊療養施設は現状必要な数を確保できたので、今後の自宅療養は順次縮小となります。

自宅療養はあくまでも緊急的な対応ですからね。

具体的には、新たに感染が判明した方は入院か宿泊療養のいずれかとなり、すでに自宅療養をしている方にも宿泊療養に変更するよう努めていくとのことです。

参考

群馬県が諦めてはならない3つのこと

入院・宿泊療養 滞在日数

前回の記者会見の質疑応答で希望があった、療養者の滞在日数についてのデータが公開されました。

従来の対応と、早期退所・早期退院の運用を始めた8月19日以降の宿泊施設や入院療養の平均滞在日数の比較です。

どちらも2日間以上短縮できています。短縮することで、より多くの患者が入院・入所することができるようになります。

早期退所・早期退院については、以下の記事をご覧ください。

患者療養の新方針

症状別の患者状況

入院療養している患者の症状別分布です。

カッコ内の数値は先週の値。

入院中283人(328人)

  • 重症 7%(8%)
  • 中等症 32%(32%)
  • 軽症等 61%(60%)

重症者・中等症患者の状況

重症者・中等症患者の年代別状況です。

カッコ内の数値は先週の値。

重症者24人(25人)

  • 60代以上 21%(16%)
  • 40~50代 71%(76%)
  • 20~30代 8%(8%)
  • 20歳未満 0%

中等症102人(106人)

  • 60代以上 35%(28%)
  • 40~50代 52%(58%)
  • 20~30代 13%(14%)
  • 20歳未満 0%

重症者にワクチンを2回接種した人はいません。今のところ県内には一人もいません。ワクチンを受ければ絶対重症化しないということではありませんが、重症化を抑える効果は確かにあります。

10万人当たりの新規感染者数:保健所管内別

保健所管内ごとの新規感染状況です。

ようやくかろうじて真っ赤は避けられています。といっても、多くの地域は相変わらず高い水準です。伊勢崎・太田・館林保健所管内がワースト3という状況にも変化がありません。

人流分析

県内主要スポットの人流分析です。

対象は、高崎駅周辺、太田駅周辺、草津温泉周辺の3ヶ所。

調査期間は8月1日(日)~9月5日(日)。

草津温泉周辺では、緊急事態宣言以降の人流が減少していることがわかります。高崎駅周辺、太田駅周辺については、緊急事態宣言に入ってから人流の減少が下げ止まっています。むしろ増えていたり。

県内のワクチン接種状況

ワクチン接種率

県全体のワクチン接種率は

1回 67.90% 2位(3位)  全国平均は59.16%

2回 53.41% 11位(12位) 全国平均は47.44%

2回完了した人が半数を超えました。3人に2人が1回完了。

県営ワクチン接種センターの稼働状況

県央ワクチン接種センター、東毛ワクチン接種センターの接種実績は以下の通り

運用は順調です。

県央ワクチン接種センターの稼働は残り3週間です。(延長されました)

期間延長に関しては、以下の記事をご覧ください。まだ接種可能ですよ!

県央ワクチン接種センターの期間延長

質疑応答

発表内容は以上です。

その後の質疑応答はYouTubeでご覧ください。頭出ししておきますので、以下のリンクからどうぞ。

質疑応答(20210909山本一太群馬県知事定例記者会見)

リンク

知事記者会見

新型コロナウイルスワクチン接種に関する情報(県民向け)

東毛ワクチン接種センター

県央ワクチン接種センター