群馬県、8月20日より緊急事態宣言発令 デルタ株封じ込みへさらに一歩踏み込む

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8月17日、山本一太群馬県知事は緊急事態宣言についての臨時記者会見を行いました。

20210817山本一太群馬県知事臨時記者会見 – YouTube

その内容をまとめました。

※記事内画像はモニター資料からの引用です。

これまでの群馬県の感染状況

その前に、現在の群馬県の状況を表した図を用意したのでそちらをご覧ください。

期間は昨年1月15日から昨日8月16日まで、群馬県の人口10万人あたりの新規感染者数(直近1週間の増加数)の推移をグラフにしたものです。第1波から第5波までわかるようにしました。現在は第5波のまっただ中ですが、明らかにこの5波は4波までと比べて規模が段違いです。感染拡大のスピードも遥かに速いです。このような状況下で2度目の緊急事態宣言が発令されます。

また、8月20日から緊急事態宣言が発令される地域は茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県。すべてすでにまん延防止等重点措置の適用がされている地域です。この措置で、関東1都6県にはすべて緊急事態宣言が発令されることになります。

群馬県、緊急事態宣言

緊急事態宣言発令が決定しました。適用区域が市町村単位のまん延防止等重点措置とは異なり、県内全域が対象となります。

期間

8月20日(金)~9月12日(日)

対象区域

県内全域(全市町村)

緊急事態宣言を国に要請した理由について

客観的数値から

感染状況・医療提供体制のデータから危機的状況が見えます。

新規感染者数は172.4人。国のステージⅣの基準値69人を倍以上超えています。

病床の稼働率は70.2%まで上昇。国のステージⅣの基準は50%で、こちらも大きく超えています。

無症状・軽症者用宿泊療養施設の入居者数は434

※参考

7月7日時点のデータを見てみます。第4波と第5波の谷間の時期です。

新規感染者数 3.4人(現在値172.4人)

病床稼働率 5.4%(現在値70.2%)

宿泊療養施設の入居者数 10人(現在値434人)

たった40日で数値がここまで変わってしまいました。これが第5波デルタ株の猛威です。

3つの要請理由

山本知事は、国に緊急事態宣言を要請した理由として以下の3つを挙げました。

  1. デルタ株による感染の急拡大
  2. 近隣都県で感染収束の見通しが立たない
  3. 北関東3県で一体的な対応が必要

ふつうの日常生活でも感染例が出てきていること

保健所業務が逼迫していること

などについても指摘しました。

保健所は感染経路の追跡が困難になりつつあるそうです。

このまま感染が拡大すると医療サービスの提供が困難になる(一般の医療も支障をきたします)と、救える命が救えなくなってしまう。ここで感染を制御しないと医療崩壊が現実のものとなってしまう。

こうした理由で緊急事態宣言の要請を行ったということですね。

北関東3県に関しては、茨城県が8月3日に緊急事態宣言の要請を行いましたが、これは国に受け入れられませんでした。12日に再度緊急事態宣言を要請し、群馬県・栃木県も足並みを揃えた格好です。そして北関東3県揃って緊急事態宣言が発令されることとなりました。

県民への要請

要請内容

徹底した外出自粛要請

外出機会を1/2に

不要不急の外出以外の外出、すなわち必要不可欠な外出の回数を半分に減らしてほしいという要請内容です。

今までより踏み込んでいます。

現在週4回外出している方は2回に、週2回外出している方は1回にしてほしいという要請内容です。

必要な外出を半分にしてほしいということですから、これ以上無い強い要請です。

混雑した場所は徹底的に回避する

20時以降の外出をしない

これは、デルタ株が今まで感染しなかったようなところで感染事例が出てきていることを受けての要請になります。

県外との往来をしない

仕事であってもリモートで代替するなどして、少しでも往来の頻度を減らしてほしいということです。

これらの要請内容は、感染者の行動歴からこうした行動が感染を招いた可能性が高いため、要請に至ったということです。

感染経路不明602人の感染が疑われる行動歴として、県外往来と夜の街・会食が相当数あったということです。

事業者への要請

時短要請の概要

まん延防止等重点措置では措置区域内と区域外で要請内容が分かれていましたが、緊急事態宣言下では一律の要請となります。期間は8月20日~9月12日。

要請内容

まん延防止等重点措置より厳しくなります。

休業要請

カラオケ店・酒類を提供する飲食店

時短要請

酒類を提供しない(提供を取りやめる)飲食店・大規模施設(1,000㎡超)

酒類の提供

不可

罰則

30万円以下の過料(飲食店を対象)

また、大規模商業施設やいわゆるデパ地下に「入場者の整理など」を要請します。実際に商業施設での感染が発生しているための措置でしょう。

時短要請に係る協力金

飲食店への協力金はまん防から引き上げられます。中小企業で1日あたり4万円から(売上に応じて)

飲食店

4~10万円(1日あたり)

大規模施設

対象面積1,000㎡ごとに1日あたり 20万円×(短縮時間/本来の営業時間)

テナント・出店者

対象面積100㎡ごとに1日あたり 2万円×(短縮時間/本来の営業時間)

イベントに関して

上限人数

収容率50%以下または人数制限5,000人(いずれか小さい方)

開催時間

21時まで

県立学校における対応

かなり踏み切った学校対応です。

緊急事態宣言の期間は分散登校+オンライン授業となります。これは、登校する生徒と自宅でオンライン授業を受ける生徒とわけるということです。

また、部活動は休止となります。

市町村や私立も同様の対応になる可能性

市町村や私立の学校に対しては、県の方針を周知して丁寧にお願いしたいとしています。ということなので、小中学校幼稚園なども同様の措置が取られる可能性があります。

厳しい措置の理由

なぜここまで踏み込んだ厳しい措置を取るのかと言うと、理由があります。

子どもの感染経路を調べると家庭内感染の割合が非常に多いというデータがあります。10歳未満では8割以上が家庭内感染、要するに親からうつるというケースが非常に多いのですね。

そのため、新学期に一斉登校した場合に学校で感染が一気に広がってしまう恐れがあります。

それを防ぐための予防措置として、分散登校+オンライン授業を行うことに決定したとのことです。

子どもへの家庭内感染を防ぐために、保護者の方にはワクチン接種をぜひ受けてほしい、また外出する機会を減らしてほしい、この2点を保護者へのお願いとして挙げました。

県有施設の取扱い

県有施設についても、まん防から一段厳しい措置となります。

ぐんまこどもの国児童会館など3施設が新たに閉館となります。

知事から県民へのお願い

以下の4つ。山本県知事から県民へのお願いです。

県外移動

中止・延期など慎重な判断を

県外の方へは、「今まで群馬県に来ないでくださいとお願いしたことはなかったが、初めて言います。申し訳ありませんが緊急事態宣言の間は来県をできるだけ控えてください」

人流抑制

不要不急の外出自粛の徹底

必要な外出も1/2に。工夫してほしい。

子どもの感染

保護者が子どもを守る行動を

ワクチン接種をぜひお願いしたい。

外出機会を減らす。

ワクチン接種

積極的に接種をお願いします

県央・東毛ワクチン接種センターは18歳以上で接種券を持っている方は誰でも接種を受けることができるので、大いに活用してほしい。

ワクチンが感染防止に効果があることを示すデータです。デルタ株にもワクチンは効果があります。

おわりに

長くなりましたが、以上です。

知事も繰り返していましたが、第5波は第4波までとは勢いが違います。今まで感染が起こらなかった場面でも感染が起こっています。感染力が強いんですね。これに対抗するには、ワクチン以外には手は無いと思います。

群馬県は大規模ワクチン接種センターをいち早く立ち上げて、現在1回接種を終えた方は54%。64歳以下の接種率は全国で2位です。接種を進めていくことはとても大事です。

ワクチン接種センターの運営はとてもスムーズで県民として自慢できることだと思います。そんなワクチン接種センターを活用してほしいと私も思います。

リンク

知事記者会見

新型コロナウイルスワクチン接種に関する情報(県民向け)

東毛ワクチン接種センター

県央ワクチン接種センター