8月26日、山本一太群馬県知事は定例記者会見を行いました。
20210826山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTube
その中から、新型コロナウイルス関連の内容をまとめました。
※記事内画像はモニター資料からの引用です。
県内の感染状況
8月20日の緊急事態宣言発令から1週間経った時点の群馬県内の感染状況です。
ちなみに本日8月26日の群馬県の新規感染者は337人。過去最高を記録しています。
新規感染者数の推移
先週から301人増。増加率は下がりましたが、まだ増加が続き、直近1週間の1日あたりの新規感染者数平均は276人。300人が見えてきてしまいました。厳しいです。
警戒度移行の判断基準 感染状況
感染状況の客観的な数値です。
新規感染者数の基準値は1日平均20人。
現在値は273.6人/日。1週間前から約2倍増。
経路不明の感染者数の基準値は50%。
現在値は51.5%。どこで感染してもおかしくない状況。
検査の陽性率の基準値は7%。
現在値は18.0%。
感染経路不明が51.5%と高い水準であるのが事実ですが、裏を返すと48.5%は経路を追えているということでもあります。これは保健所が調査をしていますが、新規感染者急増で濃厚接触者を把握することがかなり大変になってきているそうです。これができなくなると、どこで感染が起こっているのか、誰が濃厚接触者なのか、そうしたことがわからなくなってしまいます。そうなったら無秩序です。このことについては、後ほどまた触れます。
新規感染者のワクチン接種状況
新規感染者のワクチン接種状況ごとの内訳です。
直近1週間の新規感染者1915人中、
未接種 1715人(90%)
1回のみ 140人(7%)
2回接種 60人(3%)
新規感染者が増えても、ワクチン未接種の方が9割近くを占める傾向に変化はありません。
未接種の人は県内では4割と少数派となっていますが、その中で全感染者数の9割を占めています。デルタ株が未接種の人を集中的に狙い撃ちしている構図がはっきりと見て取れます。
新規感染者の状況 年代別
前回から、20歳未満を11歳以下と12歳~19歳に分けました。これは、小児の感染が増えていることを視覚的に表すためです。
<参考>
以下のグラフは第4波、5月にまん延防止等重点措置が適用となる直前(5/6-12)のものです。現在を第4波の時と比較すると、20歳未満の新規感染が増加していることがわかります。また、ワクチン接種が進み、60歳代以上の感染が大きく減少していることがわかります。
新規感染者の状況 推定感染経路別
感染経路不明・家庭内感染の割合が高い状況が続いています。
<参考>
以下のグラフは第4波、5月にまん延防止等重点措置が適用となる直前(5/6-12)のものです。現在を第4波の時と比較すると、感染経路不明の割合が高くなっていることがわかります。追うことが難しくなっているということでしょう。福祉施設の割合が減少しているのはエッセンシャルワーカーの優先接種が効いていると考えられます。学校での感染も減っていますが、夏休みなのでなんとも言えません。夏休み明けは要注意です。
警戒度移行の判断基準 医療提供体制
医療提供体制の客観的数値です。
人工呼吸器使用の基準値は74台中38台。
現在値は17台。先週は18台。
うちECMO使用の基準値は12台中5台。
現在値は3台。先週は2台。
前回から中等症患者の入院状況が発表されるようになりました。
中等症患者の入院状況
現在地は100人。先週は82人。先々週は72人。
病床の稼働率の基準値は警戒度2で15%、3で40%、4で70%。
現在値は78.2%。ついに警戒度4の基準値を超えました。
宿泊療養施設の稼働状況は971室中452人。
宿泊療養施設は8月31日より新たに太田市内のホテルが加わり162室追加され、1133人受け入れ体制となります。
今回から自宅療養者数が発表されています。
自宅療養者数は456人。
自宅療養は「患者療養の新基準」で設けれらました。
「患者療養の新基準」については、以下の記事をご覧ください。
症状別の患者状況
入院療養している患者の症状別分布です。
入院中369人
- 重症 6%
- 中等症 27%
- 軽症等 67%
重症者・中等症患者の状況
重症者・中等症患者の年代別状況です。
重症者24人
- 60代以上 25%
- 40~50代 71%
- 20~30代 4%
- 20歳未満 0%
※重症者は全員ワクチン未完了(未接種か1回のみ接種)
中等症100人
- 60代以上 25%
- 40~50代 58%
- 20~30代 16%
- 20歳未満 1%
※中等症患者の中でワクチン2回接種済みは2人。他98人は未完了。
重症者は40代以上が大半を占めていますが、20~30代でも4%。24人中の4%なので、おそらく1人だと思いますが、若者でも重症化する可能性があることは注目しておくべきでしょう。
中等症は100人なので、パーセンテージがそのまま人数です。20~30代は16人、20歳未満は1人。
10万人当たりの新規感染者数:保健所管内別
保健所管内ごとの新規感染状況です。
相変わらず真っ赤ですが、先週と比べると数値はかなり高くなっています。県内ワースト3保健所管内の数値を見てみます。(カッコ内は先週の数値)
太田保健所管内 27.1人/日(18.8人/日)
館林保健所管内 26.4人/日(19.0人/日)
伊勢崎保健所管内 23.4人/日(19.7人/日)
以下、桐生保健所管内9.9人/日、高崎市保健所管内9.1人/日、高崎保健所管内8.6人/日、と続きますが、上記3保健所管内は倍以上多い状況です。
8月中における県内主要スポットの人流分析
緊急事態宣言発令後の8月22日の県内在住者の人流が、高崎駅周辺と伊香保温泉周辺では8月1日時点の水準まで戻ってしまっていることがわかります。
群馬県が諦めてはならない3つのこと
山本知事から、「群馬県が諦めてはならない3つのこと」が発表されました。山本知事の、そして群馬県の決意表明と言えます。
こうしたメッセージはとても大切なことだと思います。
1.ワクチン2回接種で「重症者ゼロ」
群馬県内で、ワクチンを2回受けた人から重症者は現時点では0人です。
山本知事は、重症者をへらすことが医療提供体制を守っていくことになるとしてワクチン接種を全国に先駆けて完了させることを目標にしていくとしました。
ちなみに、8月24日時点で、12歳から64歳の1回接種が完了した人の割合が群馬県は44.8%でとなり、山口県を抜いて全国1位になったそうです。
2.「積極的疫学調査」を最後まで続行
8月25日に、山本知事は県内の保健所長と10回目の意見交換を行いました。その席で、保健所長からは感染者の濃厚接触者の追跡がかなりギリギリな状況にあるとの報告があったそうです。濃厚接触者の追跡ができなくなると、もうどこでどう感染しているのかの把握が全くできなくなります。県外では追跡を諦めてしまっている地域もあるそうですが、そうなると無秩序化して防げる感染も防げなくなってしまいます。
そうならないよう、疫学調査をなんとか最後まで続けて行くよう、保健所のサポートも強化していくとしました。
3.感染者は「入院」か「宿泊療養」
「感染者の療養は入院か宿泊療養。これが望ましい姿であり、この基本方針は諦めない」と山本知事は述べました。
連日300人を超える新規感染者という状況で、「自宅療養を行うことになったが、自宅療養をお願いした方にも、入院な必要な時にはスムーズに入院できる体制を維持していく」「自宅療養の方には県がしっかりフォローし、健康観察センターがきめ細やかな対応をしていく」と述べました。
群馬県のワクチン接種率
県全体のワクチン接種率は
1回 60.21%(4位) 全国平均は51.26%
2回 45.89%(12位) 全国平均は40.69%
県営ワクチン接種センターの稼働状況
県央ワクチン接種センター、東毛ワクチン接種センターの接種実績は以下の通り
県央ワクチン接種センターの稼働は10月2日まで。1回目の接種は9月3日までとなります。
予約枠には余裕があるので、まだ接種していない方はぜひ予約してほしいとのことです。20~40歳の方、まだ「SUBARU XV」や宿泊券があたるキャンペーンに間に合いますよ!
モデルナワクチン異物混入問題について
モデルナ製ワクチンの一部に異物混入されていた問題について、山本知事から報告がありました。
県央ワクチン接種センターでは異物混入が確認されたロットはありませんでした。
東毛ワクチン接種センターでは、対象のロットの1つが確認されましたが、未使用でした。
今後ワクチン接種センターで使用するモデルナ製ワクチンには異物混入の問題のない在庫を使用するとのことです。
ということなので、一安心です。