8月6日、山本一太群馬県知事は定例記者会見を行いました。今週3度目の記者会見です。
20210806山本一太群馬県知事定例記者会見 – YouTube
会見の内容はすべて新型コロナウイルスに関する内容でした。
その内容をまとめました。
※記事内画像はモニター資料からの引用です。
今週行われた臨時記者会見については、以下の記事をご覧ください。
8月3日の警戒度「4」引き上げの臨時記者会見についてはこちら
8月5日のまん延防止等重点措置の臨時記者会見についてはこちら
県内の感染状況
新規感染者数の推移
相変わらず3倍増ペースが続いています。
直近1週間は895人。先週は334人。先々週は103人。2週間で9倍です。過去最悪のハイペースです。第4波のピーク時は1週間で630人でした。その1.5倍近い数字です。
警戒度移行の判断基準 感染状況
感染状況の客観的な数値です。
新規感染者数の基準値は1日平均20人。
現在値は127.9人/日。1週間前から3.6倍増。
経路不明の感染者数の基準値は50%。
現在値は48.9%。市中感染が広がっています。
検査の陽性率の9基準値は7%。
現在値は13.8%。
新規感染者のワクチン接種状況
新規感染者のワクチン接種状況ごとの内訳です。
直近1週間の新規感染者895人中、
未接種 792人(88.5%)
1回のみ 66人(7.4%)
2回接種 37人(4.1%)
ワクチン未接種の方が9割近くを占めます。
新規感染者の状況 年代別
30代以下の世代が全体の64%を占めています。これは直近1周間と1ヶ月でほとんど変わりがありません。ワクチン接種が始まってからこの傾向が顕著になっています。
新規感染者の状況 推定感染経路別
感染経路不明が一番多く、家庭内感染が続きます。
警戒度移行の判断基準 医療提供体制
医療提供体制の客観的数値です。
人工呼吸器使用の基準値は74台中38台。
現在値は4台。先週は2台。
うちECMO使用の基準値は12台中5台。
現在値は0台。先週は0台。
病床の稼働率の基準値は警戒度2で15%、3で40%、4で70%。
現在値は57.0%。3日前の数値は43.0%だったので、1日5%近い上昇です。このペースが続くと週明けには80%に到達します。
宿泊療養施設の稼働状況は971室中270人。こちらも急激に増加しています。
10万人当たりの新規感染者数:保健所管内別
保健所管内ごとの新規感染状況です。
真っ赤です。まん延防止等重点措置が前回と違って群馬県内全12市で適用となったのは納得するしかありません。
変異株の感染状況
デルタ株へのシフトが鮮明に。
今回の2度目のまん延防止等重点措置はデルタ株との戦いであると言えます。そして非常に手強い相手です。
入院患者の状況 年代別
入院を必要とする患者がどれくらいいるのか、世代別のデータです。
第5波は20~30歳代の入院患者が半数近くを占めています。第4波からほぼ倍増しています。デルタ株は若者でも重症化しやすいと言われていますが、それを裏付けるデータです。
また、若者で最初は軽症だったのが、後から中等症に悪化するケースが4割あるそうです。中等症は一言で言うと肺炎が広がっている状態です。中等症の軽い方は呼吸器は必要ありませんが、中等症の重い方は呼吸器が必要になります。
症状についての説明も会見の中でありましたが、そこで引用されていた医師の安川康介さんのツイートを貼っておきます。
「若者は重症化しないからワクチンは必要ない」と言う人がいます。日本の「重症」の定義は人工呼吸器や集中治療が必要な状態です。30代、40代でも中等症になる方はそれなりにいて、僕も多く診てきました。軽症や中等症といってもピンとこない方もいるので、スライドを作ってみました。 pic.twitter.com/ibTUPcpBXo
— 安川康介@米国内科専門医 (@kosuke_yasukawa) July 19, 2021
新型コロナ感染症の症状は軽症・中等症・重症に分類されますが、一般のイメージよりもかなり重い症状であることを指摘されています。
- 軽症 咳が止まらないこともある
- 中等症 肺炎が広がっていて、人にとっては一番苦しい状態
- 重症 助からないかもしれない、すなわち重体に近い状態
そして、中等症には若者でも容易になりうる。後遺症が残ることも指摘されています。かからないに越したことはないです。
感染急拡大前後の人流分析
第5波前と第5波が始まってからで、県内主要スポットの人流にどのような変化があったかのデータです。
県外からの人流が特に増えているということは無いようです。温泉地ではむしろ減っています。
が、県内居住者の人流は増加しているようです。夏休みに入ったということが大きいのでしょう。これが第5波の要因のひとつであるとしています。
群馬県のワクチン接種率
県全体ワクチン接種率
県全体のワクチン接種率は
1回 48.78%(8位) 全国平均は41.98%
2回 33.92%(26位) 全国平均は31.72%
1回、2回とも関東ではトップです。
ワクチン接種センターの稼働状況
直近1週間の稼働状況
県央ワクチン接種センター、東毛ワクチン接種センターの接種実績は以下の通り
累計 272,625人(群馬モデル除く)
- 県央 212,105人
- 東毛 60,520人
稼働率
- 直近1週間 93.5%
群馬モデル接種実績(ワクチン接種センターを活用した職域接種プラン)
累計 17,841人
県央東毛両ワクチン接種センターの稼働率は再び90%を越えてました。これは非常に高いです。
ワクチン接種センターの接種体制増強へ
県央センターは予診・接種人員の増員で1ブースあたりの接種能力を1,500人/日から最大1,800人/日に引き上げるとしています。また、群馬モデルブースが空いている時に県で運営して活用。
東毛センターは隣接の体育館を活用して、1,150人/日から最大2,300人/日と接種能力倍増を図ります。
そうすることで平均11,000回/日の接種体制を維持できるとしています。この増強は早ければ来週から実行に移すとしています。
若者のワクチン接種率向上へ
世代ごとのワクチン接種率と感染者数のグラフです。
このグラフから、接種率と感染者数の相関関係を見ることができます。これは全国的な傾向ですが、群馬県では若者のワクチン接種率を高めることが、県内の感染状況改善に繋がり、ひいては早期の経済活動再開につながるとして、若者にワクチンの正確な情報を届け、ワクチン接種を受けてもらいたいと、若年層へのワクチン接種促進に取り組むと山本知事は述べました。
若年層へのワクチン接種促進キャンペーン
若年層へのワクチン接種に関する啓蒙と並行して、ワクチン接種キャンペーン的なことをSUBARUの協力を得て実施します。
具体的には以下の通り
対象
9月末までに2回のワクチン接種を受けた20代と30代の県民
※すで受けた方、市町村で接種を受けた方も対象
特典
対象者の中から、下記の商品を贈呈
- SUBARU XV(1.6i Eye Sight) 1名
- 県内旅行券5万円分 100名
- 県内旅行券2万円分 250名
なお、SUBARU XVは株式会社SUBARUの提供です。
旅行券の利用は感染状況が落ち着いてからとなるようです。
応募方法
今日の議会の審議内容を踏まえ決定し、後日県HPで発表。
このように異例の取り組みを行うことが発表されました。
決定までのかなりの議論があったようです。経緯について、記者会見の中で山本知事が述べられているので、そちらをご覧ください。
週に3回もコロナ対策で記者会見を行うという極めて異例な1週間となりましたが、第5波、デルタ株は、従来とは比べ物にならない脅威であることの証左でもあります。なんとか感染拡大を食い止めて、早く経済活動を復活させられるよう慎重に行動したいと思います。