2019年上半期のアメダスデータを検証する

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早いもので今年も半年経ちましたね。

さて、館林市のアメダスが昨年6月に移転しました。その結果、昨年は館林市の最高気温が全国一位になる日がありませんでした。

そのデータは以下のページにまとめてあります。

館林のアメダスが6月に移転!!新旧アメダス設置場所と最高気温比較
館林のアメダスは美園町の消防署の敷地にありましたが、消防署が上赤生田町や赤生田町に建設中の広域防災拠点に移転することが決まり、それに伴いアメ...
館林新旧アメダスデータ・最高気温ランキング編
このページでは、気象庁が旧アメダスの最高気温を公表している2018年7月2日から10月1日までの期間の全国の日毎最高気温ランキングに館林の新...

昨年7月2日から10月1日までは気象庁が新旧アメダスの観測データを公開したので比較が容易にできましたが、その後は新旧アメダスの観測値を直接比較することはできなくなりました。すでに旧アメダスは撤去されているのでもう比較することはできません。

そこで、別の方法を考えてみました。かなりマニアックで関心のある方がどれほどいるかわかりませんが、まとめてみました。

2019年1月から6月のアメダスデータを2018年の旧アメダスデータと比較してみる

館林アメダスのデータだけでは比較ができないので、熊谷と佐野のアメダスデータとの比較をしてみました(熊谷は暑い町ベンチマークとして、佐野は館林からいちばん近いアメダスとして)。熊谷と佐野のアメダスデータと比較することで新館林アメダスの特徴がわかるのではないかと思います。

データは気象庁のデータを使用しています。データは以下のリンクから取得できます。

気象庁|過去の気象データ・ダウンロード

月別最高気温平均値

2018年と2019年の1月から6月の月別の最高気温平均値を比較してみました。

まず館林アメダスのデータから。

館林アメダス

2018 2019
1月 9.00 9.77 0.77
2月 10.39 11.08 0.69
3月 16.86 14.58 -2.28
4月 23.29 18.94 -4.35
5月 26.66 26.43 -0.23
6月 28.15 26.45 -1.70

これだけだと、新旧アメダスでどう変わったのかがわかりません。そこで熊谷と佐野のアメダスのデータを参照してみます。

熊谷アメダス

2018 2019
1月 9.46 10.68 1.22
2月 10.39 11.82 1.43
3月 16.82 15.43 -1.39
4月 22.93 19.56 -3.37
5月 25.92 26.88 0.96
6月 27.85 26.86 -0.99

佐野アメダス

2018 2019
1月 8.94 10.22 1.28
2月 10.10 11.66 1.56
3月 16.41 15.05 -1.36
4月 22.71 19.06 -3.65
5月 25.90 26.55 0.65
6月 27.90 26.77 -1.13

2018年と2019年の差に着目します。

1月のデータを見ると、館林は平均で0.77℃上昇しています。熊谷は1.22℃、佐野は1.28℃の上昇。つあり、アメダスが移転した館林は熊谷や佐野と比べて上昇が少ないです。これはある程度アメダスが移転したことによると言えるのではないかと思います。

1月のデータだけだと根拠が弱いので2月〜6月のデータでも比較してみます。

2018年から2019年の1月から6月の月別最高気温の変動値比較

館林 熊谷 佐野
1月 0.77 1.22 1.28
2月 0.69 1.43 1.56
3月 -2.28 -1.39 -1.36
4月 -4.35 -3.37 -3.65
5月 -0.23 0.96 0.65
6月 -1.70 -0.99 -1.13

これは上の表から差データを取り出したものです。いずれの月でも館林新アメダスの最高気温変動値は熊谷と佐野と比較して低い数値が出ています。5月にいたっては熊谷、佐野アメダスは前年より高い最高気温平均値を出しているのに、館林は逆に下がっています。

熊谷や佐野と比べてどのくらい低いのかを見てみましょう。

対熊谷 対佐野
1月 -0.45 -0.51
2月 -0.73 -0.86
3月 -0.89 -0.92
4月 -0.98 -0.70
5月 -1.19 -0.88
6月 -0.71 -0.57

こうするとはっきりしますね。2018年1月と2019年1月の最高気温平均を比較すると、変動が熊谷との比較では-0.45℃、佐野との比較では-0.51℃。そしてどの月で比べても館林アメダスのデータは熊谷・佐野アメダスのデータと比べて低いことがわかります。

最後に2018年と2019年の1月から6月の最高気温平均値を見てみましょう。

2018 2019
館林 18.94 17.87 -1.07
熊谷 18.77 18.54 -0.23
佐野 18.53 18.21 -0.32

館林は昨年に比べ今年は最高気温平均値が-1.07℃下がっていますが、熊谷は-0.23℃、佐野は-0.32℃しか下がっていません。やはりこれはアメダス移転の影響だと考えられます。

これで、新アメダスが暑い時だけでなく、年間を通じて旧アメダスよりも低い最高気温を観測する傾向にあることがわかりました。

ただそれだけのことなのですが、個人的に気になったので調べてみたという記事でした。お付き合いいただきありがとうございます😁

2018年と2019年の1月から6月の最高気温データ

最後に、検証に使用したデータを置いておきます。

2018年、2019年の1月から6月の最高気温データ(館林、熊谷、佐野) (CSV UTF-8)