江川橋の架替えが決まったらしいので見てきた

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木戸町と日向町を結ぶ江川橋。この橋は昭和14年(1939年)にできたとても古い橋ですが、現役の橋として活躍しています。

江川橋

さて、この江川橋の架替え事業が始まっています。詳しくは以下のリンク先の記事を読んで下さい。

館林市は江川橋の橋梁整備事業 | 群馬建設新聞

記事から引用します。

館林市が進める木戸町と日向町を結ぶ江川橋の架け替え事業で、架設位置や既存橋梁の撤去方針などが決定した。2022年度は用地測量業務を冨永調査事務所(高崎市)が手掛け、23年度に本格的に用地買収する。順調に用地買収が進めば最短24年度の工事発注となる。

新橋の橋長は77m。架設位置は、森の木排水機場の北側で、既存橋梁から南へ300mほどの位置。構造は鋼2径間連続鈑桁橋、橋台は逆T式、橋脚は壁式。橋台・橋脚ともに基礎は場所打ち杭を採用する。既存橋梁は、車のすれ違いが困難なことから、十分な幅員を確保する。新橋の取り付け道路は県道足利館林線から西へ進み、新橋を経て多々良川の左岸側を通る市道までの約220mとなる見通し。右岸側は290mの取り付け道路を整備する。

架替えの橋は現在の江川橋から南に300mの位置に移動されるとあります。

また、これから測量が始まり、来年から用地買収が始まるとあります。最短で2024年度に具体的な工事の発注が行われるようです。

興味が湧いたので、まず市役所の道路河川課で話をうかがいました。

要点をまとめると、

  • 道路・橋の設計はこれから(まだ何も決まっていない)
  • 新たに架ける橋の場所は、現在の江川橋の南、森の木排水機場の北側になる
  • 県道足利館林線との接続は広域農道との交差点
  • 令和10年頃完成を見込んでいる

こんなかんじです。もちろん確定ではありません。現在での見込みになります。

あとは、現地を見てみることにします。

地図

地図を用意しました。地図データは国土地理院地図を利用しています。

まんなか付近を南北に通っている黄色の道路が県道足利館林線です。

③に現在の江川橋があります。

では①から見ていきます。

現在の江川橋を見る

① 県道足利館林線

いきなり江川橋スタートでもいいのですが、新橋のこともあるので、ここから見ていくことにします。

県道足利館林線と広域農道との交差点です。ここをまっすぐ進み江川橋に向かいます。

②木戸町集落入口

交差点をすぎると木戸町の集落に入ります。ここを左折。

狭い道を入ります。

重量制限の標識がありますが、これは江川橋のことです。

この道路は狭いのですが、けっこう交通量があります。S字を抜けると江川橋です。

③江川橋

見えてきました。

江川橋です。

江川橋は古い作りなので、自動車がすれ違うことができません。

そんな小さな橋ですが、周辺に橋が無いので交通量はけっこうあります。

橋の上から、この川は矢場川なのか多々良川なのか、よくわかりません。少し上流で矢場川が分岐しています。江川橋の「江川」は多々良川のことを指すそうなので、多々良川なのかな?

ひらがなで「えがはゝし」(ご指摘いただきました。ありがとうございます)

反対から。「江川橋」

「昭和14年6月竣工」とあります。1939年、日中戦争のさなかに完成したんですね。

橋の傍らには木戸地区が区の活動で設置した案内板が草に埋もれかかっていました。
※当初「館林市が設置」と記述しましたが、誤りでした。訂正します。

説明文を読むと、現在の江川橋は2代目なんですね。初代の江川橋は現在の江川橋のすぐ北側にあったようです。

初代の江川橋は縁切り橋と呼ばれたそうですが、その由来が2説あるそうです。

へえ。おもしろい!

2つ目の説は「日向義民地蔵」として現在も残っています。

小沼庄左衛門(日向義民地蔵)

このようにこの江川橋はこの地の歴史を語るものとして長年愛されてきましたが、いくつか問題があります。

江川橋の問題点

防災上の問題

江川橋は堤防より低いところにかかっています。

堤防を切って、橋を通しています。このような状態なので川が増水したら、堤防が切れているところから水が流れ出るのは防ぐことができません。

同じ問題が足利市の渡良瀬川にかかる中橋ですね。2019年の台風19号での大雨のときは土嚢を積んで対応したそうです。江川橋もそういった対策を取るのだと思いますが、それは根本的な対策ではありません。

中橋も架替え事業が始まっています。

交通事故が多発している

県道から江川橋に向かう交差点で交通事故が多発しています。

この交差点は見通しがよくありません。その上交通量が多く、しかも県道側は直線路で流れが早く、それも相まって事故が多発しています。

これらの問題を解決するには、橋の移動をせざるをえないという結論になったそうです。それは仕方がないことなのかなと思います。

新「江川橋」

ということで、現在館林市で計画している新「江川橋」がどこに架かるのか、探してみました。

右岸(西側)の堤防上を南に進みます。

左手に川、右手には水田が広がります。

④森の木排水機場

300mほど進むと、森の木排水機場が見えてきます。現在の計画では森の木排水機場の北側に橋がかかります。

こんなかんじですね。

東側の県道足利館林線まで直接つながります。

①の地点。県道側から見るとこんなかんじ。左右の道路が県道で手前の道路が広域農道です。ここから西に進む道路を作り、新・江川橋に着きます。

現在のアクセル路と比べたら、はるかに安全になるでしょうね。

橋から西側、日向町側にできる道路はこんなかんじなんでしょうか。これは私の勝手なイメージなので、この通りになるかはわかりません。

いずれにしても、東西ともに開けたところをまっすぐつなぐことになるでしょうから、安全面、治水の問題、ともにクリアできるのでしょう。

⑤堰番

この場所からさらに100mほど南に進むと、堰番があります。

この堰、橋とは言えませんが、徒歩や自転車なら川を渡ることができます。

近所の方たちの団欒の場になっています。

堰番にも地元木戸地区が設置した解説ボードが設置されています。

館林は里沼だけでなく、水がきれいな場所がたくさんありますよ。

新・江川橋の進捗があったら、また見に来たいです。