恒例の合併協議会記事です。開催から1ヶ月も経ってしまいました(汗)。今回からスタイルを変えます。
5月18日(金)に2月19日以来の今年3回目となる館林市・板倉町合併協議会が開催されました。
第12回館林市・板倉町合併協議会
第12回会議の結果と資料はこちらのページで公開されています。
内容は以下の通りです。
報告事項
報告第18号 館林市・板倉町合併協議会規約に関する協議書にかかる変更協議書について
報告第19号 平成30年度館林市・板倉町合併協議会予算の専決処分について
審議事項
議案第43号 平成30年度館林市・板倉町合併協議会事業計画について【原案のとおり可決】
その他
合併に伴う財政への影響額(見込)と住民サービスの調整(市と町の高い方に統一するために必要な経費)について
この中で重要なのは「その他」の「合併に伴う財政への影響額(見込)と住民サービスの調整について」です。
なぜかというとお金の話だからです。
一般に、自治体同士が合併すると経費は削減できると言われています。2つの行政組織が1つになって合理化できるということですね。
それは確かにそのとおりなんですけど、一方でそれぞれの自治体が独自の行政サービスをしています。
その独自の部分を合併後にどうするか。これによって、歳出が増えたり減ったりします。
これから合併協議会で話し合っていくことはまさにこのことです。
だから重要ですよ!
合併による財政への影響(見込)
まず、財政の見込みです。今のまま館林市と板倉町が合併した場合に歳入と歳出はどのように変化するのか。以下の表にまとめられています。※会議資料15P
上の表から「歳入」「歳出」「影響額」のみ取り出した表です。期間は12年間。(単位千円)
項目 | 歳入 | 歳出 | 影響額(差額) |
2019年度 | 145,000 | -160,000 | 305,000 |
2020年度 | 145,000 | -185,000 | 330,000 |
2021年度 | 145,000 | -244,000 | 389,000 |
2022年度 | 145,000 | -283,000 | 428,000 |
2023年度 | 152,000 | -335,000 | 487,000 |
2024年度 | 152,000 | -360,000 | 512,000 |
2025年度 | 205,000 | -277,000 | 482,000 |
2026年度 | 144,000 | -277,000 | 421,000 |
2027年度 | 85,000 | -277,000 | 362,000 |
2028年度 | 26,000 | -277,000 | 303,000 |
2029年度 | -33,000 | -277,000 | 244,000 |
2030年度 | -63,000 | -277,000 | 214,000 |
12年間の合計 | 1,248,000 | -3,229,000 | 4,477,000 |
合併によって歳入が10年間増加します。歳出は12年間ずっと減少します。影響額は最大で5億1200万円、最小で2億1400万円です。
12年間で歳入は12億4800万円増加、歳出は32億2900万円削減、影響額は44億7700万円。
これだけお金が浮くということです。12年間の影響額の平均は3億7300万円です。
この数字は単純に今の状態のまま合併した時の数字なので現実の数字にはなりません。なぜなら、自治体独自の行政サービスをそのままにしておくことはできないからです。
なので、館林市独自の行政サービス、板倉町独自の行政サービスを、合併後どうするかを決めなければなりません。それによって、歳出額に影響が出ます。当然影響額も変動します。
行政サービスの調整
合併協議会でこれから話し合わなければならないのは、行政サービスをどうするかです。どのサービスを継続し、どのサービスを廃止、あるいは形を変えて継続するか、これを決めないと財政的なめどが立ちません。すると予算が決められません。だからどうしても決めなければなりません。(ただし、合併協議会で扱うのは比較的大規模なサービスです。小規模のB・Cランクのサービスは合併協議会下の幹事会や専門部会の協議で行います。)
- 学校給食費の無料化
- 英語検定料の補助
- 子育て支援金
- 0歳児紙おむつ購入補助
- チャイルドシート購入補助
- 高校生の入院医療費補助
- 各種検診事業
- 介護慰労金
- 行政区運営(区長・副区長の手当)
- 行政区助成
青文字の項目が板倉町独自の住民サービスです。茶文字は市と町で基準が異なるサービス・事業です。
この表は住民サービスを館林市と板倉町で高い方に統一した場合の経費増加額をまとめたものです。要するに今ある住民サービスをそのまま実施した場合、最大でこうなるということです。なので、その住民サービスを続けるとしても内容を変更するなどした場合は経費は上記表よりも少なくなることも多くなることもありえます。それも含めて合併協議会で話し合うことになります。
この表によれば、現在市のみあるいは町のみで実施されている住民サービスをすべて継続する場合、館林市の経費は4億2,312万5千円増加、板倉町の経費は202万3千円増加、合計4億2,514万8千円増加します。この数字と先ほど出した12年間の影響額平均3億7300万円を比べてみると、5200万円ほど足が出ることになります。要するに合併効果だけではすべての住民サービスを維持することはできないということです。
ではどうするのか。それをこれから考えていかなければなりません。合併協議会だけではなく、館林市・板倉町の住民も当事者です。
平成30年度 館林市・板倉町合併協議会 事業計画
というわけで、平成30年度の合併協議会事業計画を見ると「住民説明会」の文字が出てきます。先に挙げた住民サービスの変更は住民に大きな影響を与えるものがありますから、当然ながら住民の意見は尊重されなければなりません。
その時のために、今から合併協議の推移をよく見ていく必要があります。
第13回 館林市・板倉町合併協議会
まだ次回の第13回合併協議会の日程は未定です。
合併協議会の情報はウェブサイトで公開されています。