「市民活動団体との合併懇談会結果報告書」を読む

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11月24日に第9回館林市・板倉町合併協議会が開かれますが、その前に館林市が実施した市内で活動する市民活動団体との合併懇談会の内容が公開されたので見てみることにします。

市民活動団体との合併懇談会の結果報告書を公開します | 館林市公式ホームページ

こちらのページにPDFで公開されているのですが、正直言ってPDFファイルをパソコンならともかくスマホの画面で見るのはキツイものがあります。できればPDFではなくHTMLでブラウザから直で見られるようにしてほしいところですが、とりあえず、報告書の中からかいつまんで見てみることにします。

市民活動団体との合併懇談会結果報告書

合併懇談会の日時・参加団体・内容

懇談会は2017年8月22日、24日、25日の3会に分けて市役所内で開催。

参加団体は以下の通り(15団体)

  1. まちづくりを考える研究グループ
  2. 館林市寿連合会
  3. 館林市食生活改善推進員協議会
  4. 館林市母子保健推進員協議会
  5. 館林市体育協会
  6. 館林市くらしの会 ※当サイトとは関係ありません
  7. 館林市認定農業者協議会
  8. 館林商店街連合会
  9. 館林市小中学校PTA連合会
  10. 館林市文化協会
  11. 館林消防団
  12. 館林VYS会
  13. 二十歳の集い実行委員会
  14. 館林市農業青年会議
  15. 館林市女性防火クラブ

参加団体の詳細はこちら

懇談会の内容は以下の5項目

  1. 合併の是非について
  2. 合併の方式(編入合併・新設合併について)
  3. 合併した場合、団体内の想定される影響
  4. 合併した場合、どんなまちになってほしいか具体的なイメージ
  5. その他

合併懇談会の結果

(1) 合併の是非について

  • 賛成 8団体
  • 賛成多数 4団体
  • 賛否あり 2団体
  • どちらとも言えない 1団体

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(2) 合併の方式について

  • 編入 11団体
  • 編入多数 2団体
  • 新設 1団体
  • どちらでもよい 1団体

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(3) 合併した場合、団体内の想定される影響

  • 無い 6団体
  • 有る 5団体
  • 影響少ない 3団体
  • イメージできない 1団体

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(4) 合併した場合、どんなまちになってほしいか具体的なイメージ

※タップで拡大表示(ウィンドウが開きます)

市から各団体への質問等

1回目 8月22日(火)

①質問
【市長】板倉町と合併した場合、積極的な利活用が望めるスポーツ施設などはあるか。
①回答
【館林市体育協会】館林市は陸上競技場の整備やサッカー場を人工芝にすることが進んでいない。合併後に板倉東洋大の設備が使用できれば、積極的な利活用がされると考える。

②質問
【市長】農業についてさまざまな意見があったが、これからのまちづくりをデザインしていくためには、農業・食・健康のまちづくりは重要なテーマだと考える。各団体の考えを伺いたい。
②回答
【館林市寿連合会】これから食糧難の時代がくるかもしれない。合併後はハイテク農業を進めるべきだという意見がでた。
【まちづくりを考える研究グループ】板倉町との合併後は、地元で作った農産物を地元で加工して売るという6次産業化を進めてほしい。

③質問
【副市長】現在、団体や個人間で板倉町との交流・連携などをしているか。
③回答
【まちづくりを考える研究グループ】以前は板倉東洋大の学生や教員と一緒に活動していた。学部移転などの影響で現在交流などはしていない。合併を機に板倉東洋大の学生など、若い方との連携が復活できればと考えている。
【館林市寿連合会】現在交流はない。県が主催するイベントなどであいさつをする程度。
【館林市食生活改善推進員協議会】毎月支部長会などを開催して交流を図っている。年に1度、新年会を行っている。
【館林市母子保健推進員協議会】現在交流はないが、今後講座などを通して合併前に活発な交流を図っていけたらと思う。
【館林市体育協会】日頃から活動を一緒に行っている。

2回目 8月24日(木)

①質問
【市長】合併の是非についてどちらとも言えないという意見が多い理由は。
①回答
【館林消防団】賛否が分かれている中でも、どちらとも言えないという意見が多かった。
「メリットが明確でない」、「少子高齢化の影響で合併しないといけない」などの意見や、「消防団員の確保が難しくなってくるため合併してもよいのでは」という意見があった。

②質問
【市長】板倉町はハザードマップで洪水被害が深刻な地域だと発表されている。合併する上でリスクになると考えるか。
②回答
【館林消防団】板倉町の消防団は水害についての対策訓練を行っている。最近の雨の降り方などを見ると更に対策強化が必要だと感じる。

③質問
【市長】現在、合併協議会で事務事業等の調整をしているが、給食費無料化について団体の考えを伺いたい。
③回答
【館林市小中学校PTA連合会】保護者からは「他の自治体は無料化しているのに」という話は聞く。板倉町と館林市で意見をすり合わせるのは難しいと感じる。板倉町と歩み寄って、まずは半額分を支払ってもらうなどして、3~5年の期間でその都度費用の見直しなどをしていけば理解を得られるのではと個人的に考える。今後、市P連の中でも、色々と意見を聞いていきたいと思う。

④質問
【市長】農業について、板倉東洋大と連携した商品開発や、6次産業化についての考えをお伺いしたい。
④回答
【館林市認定農業者協議会】6次産業化はとても良いアイデアだが、どこまで規模を拡大していけるかが課題だと感じる。全国的に売り出すためには、規模拡大や気候などの面の影響もあるので難しいように感じる。特徴を生かして全国に売り出していければと考える。現在、板倉町では、若い後継者などが農業を法人化して加工野菜を売ったりしている。東洋大などとの連携で、新しい農業のかたちが生まれる可能性は秘めていると思う。

⑤質問
【副市長】現在、団体や個人間で板倉町との交流・連携などをしているか。
⑤回答
【館林市くらしの会】板倉町にくらしの会がないため、交流はない。
【館林市認定農業者協議会】県が開催するイベントなどで交流をする程度で、団体同士の交流ない。同業者なので個人的交流はある。
【館林商店街連合会】交流はない。板倉町に同じような団体があるかどうかも分からない。
【館林市小中学校PTA連合会】県などの行事で顔を合わせる程度で、交流はない。
【館林市文化協会】5年に一度、東毛広域圏文化フェスティバルで合同の発表会などを行っている。また、館林の団体に所属している板倉町民もいる。
【館林消防団】消防組合として活動しているため、普段から一緒に活動している。

⑥質問
【教育長】板倉町と合併したときにどういった未来の農業像を描けるのか、団体として考えを伺いたい。
⑥回答
【館林市認定農業者協議会】この地区の農業の特色としてハウス栽培が盛んで、キュウリやトマトを中心に作っている。後継者に関しても群馬県内では多い方である。色々なことがチャレンジしやすい環境だと感じる。多種多様な観光資源を生かして、タイアップした商品開発などができると考える。

3日目 8月25日(金)

①質問
【市長】新市になった際、農業の分野で板倉東洋大とタイアップすることでメリットが生まれるか。
①回答
【館林市農業青年会議】廃棄処分をする野菜などを活用して6次産業化などが図れれば、良いメリットになると思う。

②質問
【副市長】現在、団体や個人間で板倉町との交流・連携などをしているか。
②回答
【館林VYS会】団体としての交流はない。板倉町の高校の同級生と遊んだり、両親が板倉町出身だったりする程度。
【二十歳の集い実行委員会】団体としての交流はない。個人的には、板倉東洋大のオープンキャンパスに行ったことがある。また、板倉町で開催されるトライアスロンのイベントにスタッフとして参加したことがある。
【館林市農業青年会議】農業青年会議は板倉町には無いので交流はない。個人的に板倉町の農業者と一緒に食事をしたり、技術を教えてもらったりしている。他の農業の団体はさまざまな交流をしている様子。JAの青年部などは現在一緒に活動している。合併すれば農業青年会議のメンバーが増えるものと期待している。
【館林市女性防火クラブ】団体の交流はない。県のイベントなどに、一緒のバスで参加する程度。

③質問
【教育長】若い人は合併に関心をもっているか。
③回答
【館林VYS会】面積が広がるのかなというくらいで、若者の反応は薄いと感じる。メリット・デメリットが分かりにくいことが要因かもしれない。

④質問
【教育長】農業におけるスケールメリットはどのようなものがあるか。また、これからの農業経営の在り方、後継者の在り方などを聞かせてほしい。
④回答
【館林市農業青年会議】JAが邑楽と館林が合併した際に担当から、スケールメリットが生まれると説明を受けたが、現時点でその実感はない。さまざまな視察等に行って感じるが、JAだけに依存せず行政を利用することが大切だと思う。儲かる農業になれば、後継者も増えるものと考える。大きな規模で儲けている農業者を見ていると、JAではなく行政をうまく活用していると思う。

各団体からの意見・要望・感想・質問等

  • 編入、新設で話がまとまらなかったとしても、今後合併が実現できるようにしてほしい。また、広域の合併も目指してほしい
  • 合併は時間をかけてじっくり取り組んでほしい
  • 合併に対する板倉町民の感情はどうなのか
  • 板倉町の団体と市民団体レベルで合併前に交流を深められるように働きかけてほしい
  • 板倉町はなぜ合併したいのか
  • 栃木県のように生産物の促進PRを行う必要があるのでは
  • 東北自動車道が通っていることで、分断されるイメージがある。今後交流を活発にしていってほしい。また、スマートインターなどを作れば工業団地の誘致などにもプラスに働くと考える
  • 板倉町の駅前が寂しく、その周辺が住宅街になっている。合併後、土地の値段を下げてでも、早急に駅前開発を行ってほしい
  • 若者の中では、合併して何が変わるのか疑問に思っている人が多い。合併することの一番のメリットを教えてほしい
  • 館林市は魅力に乏しいと感じるため、魅力づくりをする必要があるのでは
  • 合併した場合のまちの中心は変わるのか。インターチェンジ周辺や、国道354沿いが中心になって発展すればと考える
  • 合併によって近隣自治体と新たに関係が構築されるメリットがあるので、販売促進につながると期待できる
  • 合併によって税金関連はどうなるのか
  • 第四小学校の児童数が少ないので、合併して小学校も再編されれば、児童数が増えるものと考える
  • 給食費無料化について、以前、国で高速道路料金の無料化を実施していたが、途中で立ちいかなくなった経緯がある。聞こえのよい政策を出すのではなく、住民が少し汗をかく部分が必要だと感じる。無い袖は振れない。有料でも良いのでは。

合併懇談会結果報告書を読んでみて

読んでみた感想です。

団体にもよりますが、意外に板倉町との交流をしていないのだなあという印象を持ちました。近くて遠い隣人なのでしょうか。

合併についての関心も低いように思います。それは当サイトで合併問題に関する記事がダントツで人気の無いことからもわかってはいましたが(苦笑)。

合併に向けて給食費無料化に関することが克服しなければならない一番大きな課題なのだろうと思います。

板倉町の方はどう考えているのか知りたいですね。板倉町でも同様の会合を行う必要があるでしょうし、これから行うと思いますが、それと別に館林市と板倉町と合同で意見交換会を開催するべきでしょう。

またこの報告書は板倉町の方にもぜひ読んで欲しいと思います。板倉町のウェブサイトからリンクを張ってもらえないかなあ。

最後に、自治体の合併は住民の生活に大きな影響を与えることです。なのでやはり関心をもってほしいと思います。ひとたび合併してしまったらもう後戻りはできません。「こんなはずじゃなかった」なんてことにならないように、自分たちの問題としてこの合併問題を捉えてもらいたいです。

なので、不人気コンテンツですが今後も合併問題については取り扱って行きます。