一昨年から、変わる館林の街並みと称して、主に中央通りの移り変わりを見てきました。
道路、街並みは常に変わってゆくものでここ数年でも大きな変化がありました。
この建物や
この建物も今はありません。
ここ数年でも大きく変わった中央通り、もっと昔はどんな道だったのか。
ちょうどタイムリーな企画展示が館林市第一資料館で開催中です。
特別展 徳川ゆかりの道ー日光脇往還をゆく
とても興味深い展示なので、行ってきました。
第一資料館は図書館の1階にあります。
図書館の入口を入ってすぐ右手に第一資料館があります。入場無料です。
※館内の写真撮影は多くの展示で禁止されています。今回は特に許可を頂いて撮影しています。
学芸員の橋本さんに解説していただきながら、回りました。橋本さん、ありがとうございました。
まず、この展示について。
中央通りの歴史と展示の趣旨について書かれています。
かつての中央通りは江戸時代に館林藩主・榊原康政により城下町整備の一環で開通しました。
そして、徳川家康の日光への改葬行列にこの道が利用されたことで「日光脇往還」と呼ばれるようになりました。正式な名称としては「館林道」になるようですね。
この館林道=日光脇往還は参勤交代や日光参詣や物流や旅などの交通路として栄えました。
それから長い時を経て、大きく変貌をとげ、現在の姿になります。
展示のタイトルにもなっている「徳川ゆかりの道」ですが、徳川家康公のお墓が日光東照宮にあることが大きいです。
徳川家康は、自分の亡骸はまず久能山へ納め、一周忌を過ぎたのち、日光山に小堂を造り祀るよう遺言を残しました。
その遺言に従い、家康の霊柩は久能山から日光に移動します。その際に、館林を通る経路が選ばれました。それが後の日光脇往還と呼ばれるようになります。またその一部が現在の中央通りになっています。
安土桃山時代から江戸時代にかけて秋元泰朝という武人がいました。子孫が館林藩の城主になりましたが、秋元泰朝という人は大阪冬の陣の際に大阪城総堀埋めやその後の豊臣家残党狩りなどで武功を上げ、家康の信頼が篤かったそうです。
泰朝は日光東照宮の造営奉行となり、後に世界遺産となる日光東照宮建立に貢献しました。つまり、館林も日光には縁が深いのですね。
こちらは、12代将軍徳川家慶の日光参詣した時に、水戸藩主徳川斉昭が日光脇往還を通って東照宮へ向かった時の記録です。
徳川御三家はよく日光街道ではなく日光脇往還を利用したそうです。この時代も渋滞があったそうで、そういった問題を回避するとか、階級の問題とかいろいろあったんでしょうね。
展示は2階にもあります。これは日光脇往還を行き交った飛脚に関する展示です。
脇差型の金子入れ。財布ですね。防犯のため、このようなギミックが使われたようです。今のように道中安全な時代ではないですから、必要だったのでしょう。飛脚はそうとう速かったそうで、東京大阪を最短で3日で運んだそうです。もちろん一人ではなく、リレーのように宿場ごとに継いで運ぶことで速度を維持したそうです。
こちらは「八王子千人同心」に関する展示。
八王子千人同心とは、甲斐国の国境警備にあたった戦国大名武田氏の旧臣たちで、徳川家康の配下となり、八王子に移されます。家康没後、日光東照宮の火の番を任され、50人ずつ交代で日光勤番にあたったそうです。
八王子から日光に行く時には、日光脇往還を通って行ったということで、八王子と館林の縁があったということなんですね。
知らないことばかりおもしろいですね。
これは、秋元家9代久朝が11代将軍家斉の代理で日光に参詣した際の行列を描いたものです。
先頭のほうにある槍。御持槍というのかな。正確な呼称がわかりませんが、「無」の文字が書かれています。大阪冬の陣からの戦いでの武功を讃えられ家康からもらったそうです。
このように秋元家は徳川家からの信頼が篤かったようですね。
旅のガイドブック
右は江戸時代に猛烈に売れた「旅行用心集」現代で言えば旅行ガイドブックですね。旅行が大名だけのものではなかったことがわかります。左は「日光驛路里數之表」江戸~日光間の距離早見表です。これもはやり旅に欠かせないものだったのでしょうか。
このようなものが多く流通していたということから、江戸期の旅事情は、危険や困難は伴ったでしょうが、裕福な人々の手に届くものだったのでしょう。
これは明治期の中央通りに関する展示です。
これは中央通りに面した建造物、お店などの絵で作られたすごろくです。当時はこういうものが流行っていたそうですね。
こちらは中央通りの昭和期と今の写真を並べて、どのように変わったかをビジュアルで表現したものです。谷越ビルや駅前の小菅など、私が子供の頃に見たお店などの写真があります。そんなに昔でもないけど、最近でもない。それが戦後昭和期というものでしょうか。
駆け足で紹介しましたが、ほかにも興味深い展示がたくさんあります。道が江戸時代と現代とつながっている。道路というものにはそんな力がありますね。
興味を持たれましたら、ぜひ足を運んでみてください。
学芸員の方の解説付きの日もあるので、どうぞ。無料です😄
展示解説会
申込不要
10月10日(月祝)、28日(金)、11月6日(日)
11:00~ 30分程度
関連ワークショップもあります
古文書解読講座
10月16日(日)
14:00-15:30
場所 文化会館3号室
日光脇往還を歩こう
11月3日(木祝)
9:30~ 2時間程度
集合解散場所 中部公民館玄関前
要申込
TEL 0276-74-4111 へ電話か
文化会館窓口・第一資料館受付まで
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