最近、自転車を鉄道に載せて旅をする、いわゆる「輪行」をする機会が増えました。
それまでは、出かけるのは自動車かオートバイばかりでしたが、輪行するようになって鉄道移動の良さがわかるようになってきました。
今回は「ぐんまワンデー世界遺産パス」という、JR東日本が県内の鉄道4社と協力した群馬県内乗り放題の切符を使って鉄道旅をしてみました。
「ぐんまワンデー世界遺産パス」とは
「ぐんまワンデー世界遺産パス」という名前から群馬県にある世界遺産、すなわち富岡市を中心とした「富岡製糸場と絹産業遺産群」を観光して回るための切符という印象を受けます。もちろんそうした用途にも使えますが、実はこの切符、群馬県内なら鉄道会社問わず乗り放題なんですね。また特例的に両毛線や高崎線の栃木県や埼玉県の一部の駅(足利、佐野など)でも使えます。なので、上りは埼玉、下りは栃木な伊勢崎線沿線の館林でも不自由すること無く利用できます。
この切符は昨年の発売に続き、今年も発売されています。
利用期間は平成29年7月1日~平成29年12月31日です。年内いっぱい利用できます。
有効期間は1日で、料金は大人2,100円、子供1,050円です。販売は「フリーエリア内のJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、主な旅行会社」とあり、館林駅では買えませんが駅前の東武トップツアーズで購入できます。乗りたい当日でも買えます(確認済み)。ただし、日曜祝日は休業日なのでご注意ください。
「ぐんまワンデー世界遺産パス」で群馬を旅してみる
さっそく乗ってみます。まず館林駅から高崎駅に向かいます。伊勢崎線の下り方面に乗る機会はふだんあまりないのですでに旅気分です。
伊勢崎駅でJR両毛線に乗換えて高崎駅に到着。実は高崎駅まで鉄道で来るのは初めてです。(逆はあります)館林に住んでいると、高崎や前橋に鉄道で来る機会がなかなかありません。
上信電鉄上信線です。初めて乗ります。この車両は群馬サファリパークのラッピング車両です。いくつかの車両を見ましたが、みな異なるラッピングがされていました。東武線とは全然違って面白いですね。
珍駅名で有名な「南蛇井駅」ひらがなにするといっそうインパクトがあります(笑)。向かい側に見えるのは群馬日野自動車のラッピング車両。
終点下仁田駅に到着。20分足らずで折り返しの列車の発車時間なので駅前をぐるっと見てまた移動です。
これは下仁田駅に停車していたぐんまちゃんと鉄道むすめ「富岡しるく」のラッピング車両です。本当にどの車両もみんな違うんですね!おもしろい!
高崎駅に戻り、次は信越本線で横川駅に向かいます。
横川駅は30分ほどで到着です。今はこの横川駅が信越本線の終点駅です。学生の頃には軽井沢に行ったものですが、今はそれはもうできないんですね。
駅前は峠の釜めし」荻野屋関係の建物がずらり。釜めし資料館なんてのもあります。全然知らなかった!
駅のすぐ近くには「碓氷峠鉄道文化むら」があります。蒸気機関車にも乗れる!知らないことばかりでとても新鮮です。
お昼どきなのでランチを。釜めしを食べてもいいのですが、今日はここ。「越後屋食堂」。年季の入った建物です。何度もテレビなどでも取り上げられているそうなので、この建物に見覚えのある方は多いのかもしれません。
実は今日一番の目的はここでもつ煮定食を食べることでした。
お店はとてもかんじのいいご夫婦が切り盛りされています。まさに癒やし系。メニューも雰囲気がありますねえ。
ちょっと他では味わえない絶品のもつ煮をいただきます。鉄道なのでビールも飲める!!ごちそうさまでした。また来たいな。
大満足で駅に戻ります。ちなみに右手に見える駅前のおぎのやのお店はほぼ満席でした。近くの国道沿いにおぎのやの大きなお店があるからここに来る人は鉄道の利用者だと思うのですが、そう考えるとけっこう鉄道が利用されているのだなあと思いました。
横川駅から前橋駅に移動します。ここから少し徒歩で移動です。
上毛電気鉄道上毛線の中央前橋駅です。乗換えに余裕があると思っていたらけっこうぎりぎりになってしまいました。
どうにか間に合いました。上毛電鉄の上毛線は前橋市と桐生市をつなぐ私鉄路線です。駅間がとても短いのが特徴で、バスのように利用されているようです。
ワンマン運行されています。上信電鉄もそうでしたが、乗車する時に整理券を取り、降車する時に料金を支払います。ワンマンバスと同じです。東武線も佐野線や伊勢崎線の一部はワンマン運行されていますが、車内で料金の支払いは行わないのでかなり違いますね。
終点西桐生駅に到着。
上毛線は時間帯によっては自転車の持ち込みが自由です。この時も5台以上の自転車が持ち込まれていました。それもスポーツタイプではなく買い物自転車が多かったです。なんかおもしろいですね。東武線には全く無い光景でした。
「サイクルトレイン」運行 土・休日に加え平日もご利用いただけます | 上信電鉄
西桐生駅に着いた時点で15時過ぎ。乗換えの時間までちょっとあったので、桐生駅前の喫茶店に寄りました。駅前でも気楽に寄り道できるのが鉄道移動のいいところですね。
一昨年にオープンしたお店だそうです。おいしかったので豆を買いました。
そして桐生駅。
わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線。この路線も乗るのは初めてです。
わたらせ渓谷線もワンマン運行です。到着した列車でトラブルが発生したらしく、運転士兼車掌の方がせわしなく飛び回っていました。その仕事ぶりが素晴らしかった!乗車待ちの私達への気配りもしっかりしていて、すごかった。しかも、多くの乗客の方と顔なじみというかんじで、「今日は病院ですか?」なんて声をかけていました。なにもかも驚きでしたね。
フリーパスでは沢入駅まで行けるのですが、そこまで行ってしまう帰りの便まで無人駅で1時間ほどすごさなければならなくなるので上神梅駅で降りました。この駅も沢入駅や神戸駅に負けず劣らずステキですよ。
貸切状態の上神梅駅。オートバイで来た時に立ち寄ったことは何度もあるのですが、鉄道で訪れると全然違いますね。また来たいと思いました。その時は終点の間藤駅まで輪行したいと思います。
上神梅駅からは東武線乗換え駅の相生駅まで移動。ここから桐生線と伊勢崎線を乗り継いで帰りました。乗りごたえあったなあ!
どれだけ移動したのかのまとめです。また正規料金であればいくらかかったのかを計算してみました。2,100円のフリーパスで6,310円分の移動ができました。館林からだと高崎までの往復だけで1,860円かかるので元を取るのは簡単です。むしろ館林のような群馬のはずれの地域からの利用の方がお得度は高いのかもしれません。
「ぐんまワンデー世界遺産パス」を利用してみて
とにかく普段乗ったことのない鉄道にたくさん乗れたのは楽しかったです。東武線は伊勢崎線も日光線も上りは埼玉、下りは栃木と群馬に縁が薄い路線なので、館林の人には群馬県内の鉄道は縁遠いところがあるので、こうしたフリーパスがあると群馬を身近に感じることができていいですね。
あとは、やっぱり鉄道での旅は気楽です。お酒を飲んでもいいし、ちょっと寝てもそんなに問題ないし、とにかく楽です。この行程を自動車で運転しろと言われたらしんどいですよね。だから鉄道の魅力に気づくきっかけにもなっていると思います。
この記事を読んで興味をもたれた方はぜひ利用してみてください。特にお子さんは喜ぶと思いますよ!
- 発売期間
- 2017年7月1日~2017年12月31日
- 有効期間
- 1日間
- 利用期間
- 2017年7月1日~2017年12月31日
- 料金
- 大人 2,100円 小児 1,050円
- 発売箇所
- フリーエリア内のJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、主な旅行会社。館林駅前「東武トップツアーズ」で購入可能
- 関連サイト
- ぐんまワンデー世界遺産パス | おトクなきっぷ:JR東日本