からっ風は群馬の冬の風物詩
群馬の冬というと、からっ風が有名です。
からっ風とは気流が山を越える時に、温度と気圧が下がることで、空気中の水分が雪や雨となって降り、そのため、山を越えた風は乾燥して強く吹きます。群馬のからっ風は別名赤城おろしとも呼ばれているのは、気流が山を越えた風だからです。
上毛かるたの札にもなっています。
そのからっ風なのですが、ここ数年存在感が弱まっているような気がします。以前は、1週間ぶっ続けてものすごいからっ風が吹き続くなんてこともよくあったと思うのですが、最近は、吹いても続かないし、そんな強くもないですよね。砂埃が舞って視界が遮られるなんてこともほぼありませんし。
実際のところどうなのだろう?
調べてみました。
冬の風状況を調べてみる
過去の気象データは気象庁のサイトでダウンロードできます。
こちらから、群馬県館林市の冬(12月~2月)の期間、最大風速10m/秒の日が何日あったかを調べてみました。10mというのは気象データで取得できる一番下の数値です。この上は15mになりますが、からっ風といえどもそこまで強い風が吹くことは珍しく、比較のためのデータとしては10mが妥当だと判断しました。
風のデータがあるのが、1978年12月からだったので、2022年12月までのデータをダウンロードしました。
それを年度ごとにまとめた数値は以下の通り。
年度はそれぞれ12月から2月の期間を指します。年度が1978年は1978年12月から1979年2月の3ヶ月です。日数はその間(12月~2月)に最大風速10m/秒の風が吹いた日の合計です。(瞬間最大風速ではありません)
年度 | 日数 |
1978 | 8 |
1979 | 13 |
1980 | 16 |
1981 | 14 |
1982 | 7 |
1983 | 7 |
1984 | 12 |
1985 | 6 |
1986 | 10 |
1987 | 7 |
1988 | 7 |
1989 | 4 |
1990 | 7 |
1991 | 5 |
1992 | 8 |
1993 | 18 |
1994 | 10 |
1995 | 12 |
1996 | 13 |
1997 | 6 |
1998 | 7 |
1999 | 5 |
2000 | 5 |
2001 | 11 |
2002 | 12 |
2003 | 16 |
2004 | 15 |
2005 | 18 |
2006 | 10 |
2007 | 14 |
2008 | 10 |
2009 | 7 |
2010 | 8 |
2011 | 7 |
2012 | 17 |
2013 | 11 |
2014 | 19 |
2015 | 8 |
2016 | 15 |
2017 | 16 |
2018 | 0 |
2019 | 1 |
2020 | 0 |
2021 | 2 |
2022 | 1 |
※2022年度の日数データは12月分のみです。2023年1月は本日1月17日時点では0日となっています。
グラフにしてみました。
こうしてみると、2018年度から最大風速10m/秒以上の風が吹いた日がめっきりと少なくなっているのがわかりました。2022年度はまだ途中なので、これからどうなるかはわかりませんが、今のところ、2018年以降の流れが続いているようです。
ということで、からっ風弱くなってるなあという体感は当たっていました。
これは、最近の大荒れな天候が頻発している状況から見ると正反対の方向に行っているようにも思いますが、からっ風はあまり強くないほうが過ごしやすくていいんですけどね。
原因はなんなんでしょうね。
一時的な現象なのか、当分続くのか。
気象予報士の方に解説していただけるとありがたいのですが。
「雷とからっ風」のもう一方の雷の方は近年ますます張り切っているように思いますが、こちらは気象データが無いのでわかりません。調べる方法がありましたら、教えて下さい。
このままからっ風が弱まると上毛かるたの札も変わってしまうのかも。